モーニングコートと燕尾服、タキシード、フロックコート、ディレクターズスーツの違い

シングルブレストで、襟はピークドラペル、ボタンは前に一つボタン（拝みボタンの場合は1対）背中側の腰位置にはボタンが2個あり、乗馬の時に前裾をたくし上げて留めた昔の名残りです。 背中側はテールコートに似た長さがあり、上着の色は黒無地が一般的で、腰回りには水平の縫い目があり、脇部には細腹（さいばら）と呼ばれる細いマチもあります。 前裾は燕尾服と異なり前ボタンから、なだらかな曲線で後ろに向かって長くなります。ベントは深いフックベント。 このようにモーニングコートの上着は前側裾の曲線や、腰位置の切り替えなど、縫製職人泣かせとも言える細かいルールがあり、モーニングコートを縫製できる工場は、国内に数える程しかありません。

黒またはグレーで、黒の場合は上着と同素材の生地を使い白襟を付けます。シングルブレスト、ダブルブレストどちらでも構いませんが、シングルブレストが一般的です。（別称ウエストコート）

ストライプ柄のスラックス（コールズボン）を合わせます。裾は必ずシングル仕上げ。 裾の長さは、靴下が見えないように長めがお勧めです。

ウイングカラーまたはレギュラーカラーの2種類で、白色の無地限定です。（プリーツやフリル付などは不可） 袖口はシングル、ダブルどちらでも可。シルバー台座白蝶貝などのカフリンクスで留めます。

白黒のストライプ、グレー無地、またはグレーのストライプのいずれかで結び下げネクタイを着用します。 （弔事の場合は黒ネクタイを着用します） 結び方は特に規定はありませんので、通常の結び方で大丈夫です。

黒カーフのレースアップ（紐結び）でバルモラル（内羽根式）ストレートチップ。 靴下は黒無地、または黒と白の縞柄です。

ポケットチーフは白のスリーピーク（三つ折り）を挿します。 サスペンダー（吊りバンド）は黒無地、白黒の縞柄、グレーなどを使用します。 手袋は白またはグレーで、革製か布製ですが、手には着けずに両手分の手袋を片手にまとめて持ちます。 これは室内では手袋を脱ぐという「紳士のマナー」によるものなので、 室内会場では手袋を着用しないように気を付けましょう。

シングルブレストかダブルブレストで、テーラードジャケットのようにカッティングが施され、タキシードクロスなどの光沢がある生地を使用しています。襟はショールカラーまたは、ピークドラペルで、素材は拝絹（はいけん）を使います。ボタンは一つまたは二つで、モーニングコートとは違い、上着の腰部分に切り替えがありません。

上着と同生地を使用し、側面に側章と呼ばれる飾りラインが1本入ります。 裾は必ずシングル仕上げ。長さはモーニングと同じく長めがお勧めです。

ジャケットの中にカマーバンドという太いベルトのようなものを付けます。複数のヒダが付いており、チケットポケットとして使用できるように上向きになるように着用します。 カマーバンドの代わりにベスト（ジレ）を着用する場合もあります。

襟はウイングカラーまたはレギュラーカラーのどちらかで前ボタンは比翼仕立て（隠しボタン）またはスタッドボタン。前身ごろにヒダやフリル付きを着用する場合もあります。袖口はシングルまたはダブルどちらでも可。ゴールド台座黒蝶貝などのカフリンクスで留めます。

ネクタイは黒の蝶ネクタイ（ボウタイ）が正式ですが、近年では蝶ネクタイ以外のアスコットタイやクロスタイなどを合わせる場合もあります。

エナメル素材で、プレーントゥまたはオペラパンプスを履きます。

ポケットチーフは白が基本です。 サスペンダーは黒色で、ベルトは使用しません。 靴下は黒無地を着用します。 タキシードはモーニングコートと違い、室内着ですので手袋は必要ありません。

黒色のピークドラペルで拝絹地（はいけんじ）付き、ボタンは飾りとして付いているだけで、留めずに着用します。見た目はモーニングコートに良く似た衣装ですが、前側は短くカットされており、後側はまるで燕の姿のように、裾が長くなっているのが特徴的です。

白ピケの襟付き、シングルブレストまたはダブルブレスト。

上着と共布の黒で、側面には側章が2本付いています。裾は必ずシングル仕上げ。 股上が深く作られているのが特徴的ですが、上着前側の丈が短い為、中のシャツが見えないようにスラックスのウエスト位置をみぞおち付近まで、上げて履くためにそのような仕様となっています。

ドレスシャツは白のウイングカラーシャツで、イカ胸やプリーツまたはフリル付などを着用します。 袖口はシングル、またはダブルのカフスで白蝶貝のカフリンクスで留めます。

ネクタイはベスト共布の白蝶ネクタイ（ボウタイ）を着用します。

靴はエナメル素材で、プレーントゥまたはオペラパンプスを履きます。

ポケットチーフは白でシルクまたは本麻を使用します。 手袋は白革製または布製。 靴下は黒無地です。

前も後ろも長いロングコートで、腰部分には水平に切り返しがあり背中側には2つのボタンがあります。背中の中央にはフックベンツがあり、バックスタイルはモーニングコートとほぼ同じです。

黒やグレーで上着と共布で合わせるか、黒の上着にグレーのベストで合わせます。

モーニングコートと同じくコールズボン（縞柄）や上着共布を使用します。

ネクタイは蝶ネクタイやアスコットタイなどを合わせます。

フロックコートはモーニングコートの原形であるため、 シャツや靴などの小物についてはモーニングコートと同様のルールで着用するのが一般的です。 シルクハットやステッキを持つなどで、クラシカルなイメージを醸し出す着こなしもあります。

一般的にシングルブレストで、黒またはダークグレーの無地を使用しています。

シルバーグレー系が基本です。

モーニングコートと同じコールズボン（グレー系ストライプ柄）で裾はシングル仕上げです。

ウイングカラーまたはレギュラーカラーで白無地が基本です。

グレー系の縞柄またはグレー無地の結び下げネクタイを着用します。

靴などの小物についてはモーニングコートと同様のルールで着用するのが一般的です。