結婚式の親としての心構え — 衣装選びと振る舞い
結婚式は、新郎新婦にとって一生に一度の大切な瞬間であり、親としてもその重要な役割を担います。結婚式の準備やサポートに加え、衣装選びや振る舞いにも大きな責任があります。親として、式の中でどのような心構えを持ち、どのように振る舞うべきかを理解することは、結婚式を円滑に進め、良い印象を与えるための鍵となります。
1. 親としての心構え — 新郎新婦のサポートを最優先
親として最も重要なのは、新郎新婦のサポートです。結婚式は新郎新婦が主役であるため、親はその準備や進行を円滑に進めるために、バックグラウンドで支える存在となるべきです。結婚式当日は、親としてのサポートが式全体の雰囲気や家族の絆を深める役割を果たします。
親は新郎新婦が安心して式を迎えられるよう、進行や準備において頼りにされる存在となることが求められます。
2. 親の衣装選び — フォーマルで上品な装い
親の衣装選びは、結婚式における重要な要素です。親の服装は式の格式を示すものであり、その場にふさわしい品位を保つことが求められます。ここでは、新郎新婦の両親にふさわしい衣装選びのポイントを紹介します。
2-1. 新郎の父親(父親側)
新郎の父親は、一般的にモーニングコートやタキシードを着用します。モーニングコートは、最も格式の高い正礼装であり、新郎の父親にふさわしい装いです。色は原則として黒で、ネイビーや他の色は適していません。黒のモーニングコートは、結婚式の格式を保ちながら、新郎の父親としての威厳と品位を保つために最適な選択です。
モーニングコートには、シンプルで上品な小物(ネクタイ、カフスボタン、ポケットチーフなど)を合わせ、過度に派手なデザインを避けることが重要です。
2-2. 新郎の母親(母親側)
新郎の母親は、黒留袖を着用することが一般的です。黒留袖は、最も格式が高く、結婚式における母親としてふさわしい衣装です。色留袖や華やかなドレスも選ばれることがありますが、基本的には黒留袖が正式な選択です。新郎の母親としての品位を保ちながら、式の格式を守るために最適です。
黒留袖には、華やかな帯や小物を合わせることで、上品でありながら華やかな印象を与えることができます。
2-3. 新婦の父親(父親側)
新婦の父親も、新郎の父親と同様にモーニングコートやタキシードを着用します。新婦の父親としての格式を守り、品のある装いを選ぶことが大切です。新婦の父親も式の重要な役割を担うため、黒のモーニングコートやタキシードが適しています。
2-4. 新婦の母親(母親側)
新婦の母親は、新郎の母親と同様に黒留袖を着用することが一般的です。新婦の母親として、結婚式にふさわしい格式と落ち着いた美しさを演出するためには、黒留袖が最も適しています。色留袖など他の衣装はあまり選ばれませんが、もし異なるスタイルを選ぶ場合は、落ち着いた色合いのドレスやスーツが適しています。
3. 結婚式での振る舞い — 親としてのマナー
結婚式における親の振る舞いは、衣装と同じく非常に重要です。式における親の役割は、単に衣装を選ぶだけではなく、ホスト側として式を進行し、新郎新婦をサポートすることです。結婚式では、ゲストとしてではなく、ホスト側としての立場を意識し、その役割を全うすることが求められます。
3-1. 時間に余裕を持って到着
結婚式の当日は、余裕を持って到着することが基本です。親として式が始まる前に会場に到着し、新郎新婦がリラックスできるように心配りをしましょう。早めに到着して、ゲストをお迎えする準備や最終的な確認を行うことも親の大切な役割です。
3-2. 式の進行に合わせた適切なタイミングでの準備
結婚式中、親として挨拶やスピーチを求められることがあります。話す内容の準備はもちろんですが、どのタイミングで出番が来るのかを事前に確認しておきましょう。また、適度なタイミングでお手洗いなどで身だしなみを整え、式の進行に支障がないようにすることも大切です。
3-3. お祝いの気持ちを表現する
結婚式はお祝いの場であり、親としては温かい心遣いが求められます。新郎新婦が主役であることを理解し、式全体を盛り上げるためにサポートを行いましょう。また、式の最中は親としての品位を保ちつつ、周囲に良い印象を与えることを意識した振る舞いが大切です。
まとめ
親としての役割は、結婚式において非常に重要です。衣装選びでは、モーニングコートや黒留袖などの格式を守りつつ、品のある装いを選び、式での振る舞いはホスト側として新郎新婦をサポートすることが求められます。結婚式はお祝いの場であり、親としての温かい心遣いが新郎新婦をより一層輝かせることでしょう。最高のサポートと心遣いを示すために、しっかりと準備を整えて臨みましょう。
記事監修
大阪市淀川区にて40年以上にわたり礼服の製造・開発に取り組んできた実績を受け継ぐ企業。すべての縫製工程は日本国内で行われており、車椅子用のユニバーサルデザインモーニングコートや脚長効果のあるヒールアップシューズのレンタルサービスも展開。結婚式や各種式典で使用されるフォーマルな衣装を、品質に強いこだわりを持ち提供。
執筆者
大谷真司 イデアス株式会社代表取締役
- 1990年 大阪の総合結婚式場において洋装部の責任者としてキャリアを開始。
- 1995年 全日本冠婚葬祭互助協会の2級冠婚士資格を取得。
- 1996年 法人向け貸衣装部の責任者に就任。
- 2006年 独立。宅配レンタル専門の「タキシードレンタルドットコム」を創業。
- 2016年 日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを取得。